昼の子供 夜の子供 児童相談所物語

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(あたしは眠っちゃいけないの

 

お布団の中に入ってもちゃんと目をあけてなきゃ

 

ちゃんと・・・・・)

 

少女のあやのは自室のベットでほとんど眠りに落ちているのに眠っちゃダメだと自分に言い聞かせていた。

 

(だってホラ・・・パパの足音が・・・・)

 

ガチャリ

 

あやのの部屋の扉を開ける音がする。

 

「あやのォ・・パパだよぉ」

 

あやののパパは帰宅した姿のままあやのの姿を確認し、そのまま扉を閉めた。

 

 

「実験認知、心理学でいう記憶には、宣言的記憶と非宣言的記憶というのがあります」

 

三千加のいる児童曽男女では心理学の講師を招いて相談所の職員たちに向けた講義を開いていた。

 

「宣言的記憶とは顕在記憶とも言って・・・」

 

難しい専門用語の羅列に職員たちの目はうつろ。

 

呼ばれた講師はアメリカの大学を卒業したての若き女性心理学者、野坂だった。

 

講義が終わり事務所を出たのはもう夜の9時。

 

そこに小学生の女の子が立っていた。

 

「おばさん、ここの人?」

 

「ここって児童が相談してもいいところなんだよね?」

 

講師に来ただけで野坂は事務所の人間ではない。

 

「えっと・・多分」

 

野坂は女児の前にかがみこんで優しく声をかけた。

 

「どうかしたの?何を相談したいの?」

 

「ま・・・ママが・・・」

 

女児はとても言いにくそうにうつむいた。

 

その野坂の背後から副所長が声をかけてきた。

 

「なんだ野坂クン、こんなところで。」

 

「あ、副所長。この子が何か相談したいことがあるって」

 

「ああん?こんな夜遅く・・・子供がこんな時間にウロウロしてちゃいかん。

 

早く家に帰りなさい!」

 

知らないおじさんにいきなり怒られてしまった女児はかたくなになってしまい、そのまま走り去ってしまった。

 

野坂は女児を追いかけてとにかく話を聞いてあげることにした。

 

「ママの事で悩んでるの?」

 

「ママがね・・・ママが・・・・あたしのこと・・・嫌いだって・・・」

 

女児はそういうとぽろぽろと涙をこぼした。

 

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